世界のカレー

ドイツ

ベルリンのソウルフード「カリーヴルスト」が有名。

ドイツのカレー料理でもっとも有名なものといえば、ベルリン名物で、2009年には博物館まで建てられた「カリーヴルスト(カレーソーセージ)」です。ブラートヴルストという豚肉や仔牛肉を混ぜたソーセージをゆでて(もしくは焼いて)、スパイスを加えたケチャップ(またはトマトソース)をかけ、さらにターメリック、クミンなどを主原料としたカレー粉をトッピングしたファストフードで、ソーセージが1本そのまま出されることもあれば、食べやすくカットしてからソースをからめて供されることもあるほか、スタイルはいろいろ。付けあわせには、フライドポテトやザワークラウトがポピュラーです。

カリーヴルストの起源には、ハンブルクやルール地方の都市など諸説あるようですが、1949年にベルリンのヘルタ・ホイヴァーという女性が屋台で売り出したという説が有力です。カレー粉がドイツに本格的にもたらされたのは、第二次世界大戦後のことだったのです。一方、第一次世界大戦前にドイツ領だった南西アフリカ(現ナミビア)には、現在もドイツ系住民が3万人ほど暮らし、ドイツ本国との交流が続いていますが、当地には南アフリカ由来のカレーヴルストによく似た「ブルボス」という料理があります。これがカリーヴルストの発展に何らかの影響を与えたのでは、という説もあります。ドイツ人の誇りでもあるソーセージと、カレー風味のマリアージュ。今では、ドイツ全土で年間およそ8億本のカリーヴルストが消費されるといわれるほどの愛されぶりなのです。

ドイツを代表するカレー料理
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