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赤缶カレー粉

 

日本のカレー粉のスタンダード

1923年、エスビー食品の創業者・山崎峯次郎は日本で初めてカレー粉の製造に成功しました。そして戦後、復興のエネルギーを肌に感じながら世に送り出したのが、赤缶カレー粉です。三十数種類のスパイスを絶妙な比率でブレンドし、焙煎、熟成などの創業時に確立した秘伝の製法をベースに製造し皆様のもとにお届けしています。
いまや基本調味料として根付いたこの赤缶カレー粉が戦後の日本のカレー文化を支えてきました。

創業者

エスビー食品 創業者 山崎峯次郎

1903年(明治36年)に埼玉県北葛飾郡金杉村に生まれる。
17歳の時上京し、ソース屋に勤めていた時に出会ったカレーライスに衝撃を受け、カレーライスの基本となるカレー粉の製造を決意。
当時、外国製のカレー粉が席巻しているなか、試行錯誤の末、「秘伝の調合」「焙煎」「熟成」という極めて重要なカレー粉の秘密を解明し、1923年に日本で初めて純カレー(カレー粉)の製造に成功。同年エスビー食品の前身「日賀志屋」を創業。

開発秘話

原料も製造方法も分からない試行錯誤から生まれた「カレー粉」

きっかけは“生薬”

当時はカレー粉がどんな原料で作られているか誰も知らない時代。インドから原料を取り寄せたり、古書店で資料を探す毎日。
生薬のひとつ「ウイキョウ」の説明の中に、「カレーの原料としても使われる」と書いてあったのを偶然見つけた事が、カレー粉の製造法を解き明かす大きなきっかけとなった。

最適な製粉方法「スタンプミル」

開発当初は石臼を使って原料を粉にしていたが、カレー粉の元であるスパイスやハーブの香りを最大限に生かす製粉方法として、杵と臼を使ったスタンプミルという製粉方法を発見。
最初は御影石をくりぬき臼を作り、鉄棒の先を丸くとがらせて杵にして製粉した。このスタンプミルという製法は現在でもエスビー食品のカレー粉作りの重要な工程のひとつ。

失敗作からの発見「奇跡の調合」「熟成」

香辛料を調合するだけではカレー粉特有の香りや色を表現できず失敗を重ねる毎日。年末に、積み上げられた失敗作を片づけていた際、その中の一つから目指すカレー粉の香りがするものを見つけ、カレー粉の製造には「熟成」が必要だということを発見。同時に、この失敗作の調合を基礎とし、試行錯誤の末に「奇跡の調合」を完成。

神秘の製法「焙煎」

調合したスパイスやハーブの香りを引き出しカレー粉にするための重要な工程である焙煎。最適な焙煎方法を模索した結果、焙煎している間に香りを逃がさない2重構造の焙煎機を独自に開発。
後にパテントを取得。この焙煎は門外不出の神秘の製法として社内でもトップシークレットである。

S&Bカレー粉の歩み

日賀志屋創業

1923年、浅草七軒町に「一日一日を賀び、志をたてて商売にいそしみ励む」の生活信念をその屋号に込めた「日賀志屋」を創業。

初の家庭用カレー粉発売 「ヒドリ印」の商標

1930年、初の家庭用カレー粉「ヒドリ印カレー粉」を発売。「太陽」と「鳥(鳩)」を図案化した「ヒドリ印」のマークを商標にし、パッケージにもあしらった。
「社運が日に昇る勢いであるように、また、鳥が自由に大空をかけめぐるように、自社製品が全国津々浦々まで行き渡るように」という想いが、このマークには込められている。

「白缶カレー粉」発売

1933年、「白缶カレー粉」を新富町万安楼にて発売披露。
巷では「舶来ものがよい」という固定概念を持つ料理人世界では、当初は思うように販売を伸ばせなかった時代。
料理の大家から推薦状を取って、これを商品に添付することで、料理人たちへのカレー粉の売込みに成功。
また、当時では珍しい景品キャンペーンやカレー料理懸賞キャンペーンによるカレー文化の啓蒙にも貢献。

「赤缶カレー粉」誕生

日中戦争を契機に戦争の気配が色濃くなり、原料不足が懸念される中、カレー協同組合の立上げや原料の国内栽培に積極的に取り組むなど、輸入原料不足の非常時を切り抜け、カレー振興を下支え。終戦を迎え、物資が手に入らない時期にも、カレー粉の原料を各地に飛び回って買い集め、品質を落とさずに製造を続けた。
そしてついに1950年に、「赤缶カレー粉」を発売。日本のカレー粉のスタンダードとして今もほとんどかわらぬ姿で日本人に親しまれている。

商品パッケージに国会議事堂!?

「赤缶カレー粉」の缶に描かれている国会議事堂をあしらったイラストをご存じだろうか?
日本を代表する商品になるよう願いを込め古くから商品パッケージに採用されており、1947~48年頃には、当時カレー粉を製造していた東京工場の(現在の板橋スパイスセンター)入り口正面に、この国会議事堂のデザインを模した建物まで竣工。”板橋の国会議事堂”と呼ばれ親しまれていた。

多彩なプロモーション活動

カレープロモーションの礎

戦後間もなく、「赤缶カレー粉」発売と同時に、当時では珍しいカレーレシピ本「カレー料理全集」を出版(計2万部)、調理講習会やキッチンカーでの移動料理教室を開催するなど、カレーメニュー浸透に向けたPR活動を実施。洋食のイメージが強かったカレーを国民食に広がる礎を築いた。

現在とこれから

これからも日本のカレーのスタンダード

社内公募によるレシピ本
「赤缶カレー粉レシピ」を刊行

S&B社員の「赤缶カレー粉」を使ったとってときのオリジナルレシピが満載。和洋中いろいろ46種のレシピと「赤缶」にまつわるトリビアを紹介。

最新の純カレー生産設備

エスビー食品がおいしさと品質を守り続けてきた純カレー。より安全・安心な品質で製造していけるよう、2014年には最新の生産設備にアップグレード。この工場は、品質管理と衛生管理の2つの要素で信頼性の高い認証制度である「FSSC22000」を取得。

日本食糧新聞社ロングセラー賞受賞

2015年には、スパイス&ハーブの芸術品「赤缶カレー粉」が、長きにわたり食品業界を盛り上げてきたブランドとして、「ロングセラー賞」を受賞。1923年に創業者山崎峯次郎が日本で初めて国産カレー粉の製造に成功し、その後さらに研究と改良を重ねて完成した、まさに日本のカレーを支える商品。

製造終了、デザイン変更の商品があります。最新の情報は商品情報をご覧ください。

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